クローバーフィールド・パラドックス(2018) 映画感想・ネタバレ シリーズの前日譚?
J・J・エイブラムスが手がけるユニバース作品”クローバーフィールド”シリーズ。その第3作目「クローバーフィールド・パラドックス」がNetflixで2018年2月5日に世界公開されました。公開から遅ればせながら鑑賞しました。
J・J・エイブラムスはこの作品のことを”もともと別で独立した話だったのを「クローバーフィールド」の世界に取り入れできないかと撮影してる途中でも考えていた”とインタビューでも応えていますが、実際はシリーズ1作目と2作目で怪物や宇宙人?が出てくる”キッカケ”が明らかになる、いわゆる”前日譚”な作品となっていました。
”キッカケ”の他に1作目と2作目とつながりのある「タグルアト社」やその会社の清涼飲料水「Slusho!」も作品中にちらっと映ります。
ちなみに今作品の「クローバーフィールド」とは宇宙ステーションの名前です。1作目では国防総省の保管する事件映像記録の総称として使われ、2作目ではハワードが女性を地下に軟禁する家の住所でした。
今回の「クローバーフィールド・パラドックス」は前作を未鑑賞の方は前作を観てからをお勧めします。
詳しくは下記の完全ネタばれで。
Contents
作品紹介・あらすじ
エネルギー資源の枯渇が深刻化した近未来。
各国の科学者たちが国際宇宙ステーションに集い、エネルギー危機を解決する新技術の実験に取り組んでいた。
しかし、実験中のある事故により次元のずれが生じ、不可解な現象が次々と発生。科学者たちは異次元の恐ろしい現実を目の当たりにする。
出典:https://www.netflix.com/jp/title/80134431
キャスト
監督はジュリアス・オナ監督
製作はJ・J・エイブラムス
脚本はオーレン・ウジール。
- ググ・バサ=ロー / エヴァ・ハミルトン
国際宇宙ステーションの乗組員。マイケルという夫がいる。自分の設置した電力装置が原因の火事を起こし、子供を失くしている。もう一つのパラレルワールドでは子供は健在。 - デビッド・オイェロウォ / キール
国際宇宙ステーション「クローバーフィールド」の司令官。 - ダニエル・ブリュール / シュミット
国際宇宙ステーションのエンジニア。ドイツ人。 - ジョン・オーティス / モンク
国際宇宙ステーションの乗組員で医者。 - クリス・オダウド / マンディ
国際宇宙ステーションの乗組員 - アクセル・ヘニー / ヴォルコフ
国際宇宙ステーションの乗組員 - チャン・ツィイー / タム
国際宇宙ステーションのエンジニア。 - ロジャー・デイビス / マイケル
国際宇宙ステーションの乗組員 - クローバー・ニー / モリー
国際宇宙ステーションの乗組員 - エリザベス・デビッキ / ミーナ・ジェンセン
もう一つのパラレルワールドでの国際宇宙ステーションのエンジニア。
クローバーフィールド・パラドックス ネタバレ
シェパード粒子加速器
世界のエネルギー資源は5年以内に枯渇し、その危機を救うため永久機関のエネルギーとなり得る”シェパード粒子加速器”の実験が宇宙ステーション「クローバーフィールド」は、危険な実験を行うために設計されて完成します。
このシェパード粒子加速器の起動が成功すれば永久のエネルギーを生み出すことができます。
エヴァ・ハミルトンは、宇宙ステーションの乗組員として誘われており、夫のマイケルに相談します。
マイケルはエヴァに「君が行けばみんな生き残れる。君がやらなければ誰も生き残れない。」と説得するのでした。
宇宙ステーション「クローバーフィールド」では何度もシェパード粒子加速器の起動実験を試みますが、成功できないでいました。
そしてその実験は2年もの時間が経ち、あと残るエネルギーで行えるのはあと3回となりました。
地球のテレビで学者のマーク・スタンブラーがこの実験に対して
と批判していました。
宇宙ステーションのクルーは望みをかけてシェパード粒子加速器を起動。
数値は順調に上がっていき、粒子加速器の衝突は成功しました。エネルギーの出力は50%を超えて安定するかと思われましたが、突然停止してしまいます。
画面には「オーバーロード」と表示され、窓の外では強い光が発生し、重力異常が発生しました。
シェパード粒子加速器のXデッキで火災が起き、乗組員クルーは避難し、火災の消火のため換気をしました。
宇宙ステーションは酸素漏れや、温度などに異常が発生していました。
地球を見失う
司令官のキールが乗組員クルーに師事する中、エヴァは地球との通信が取れない状況だとわかります。
調べるとどのレーダーにも地球を見つけることができませんでした。
乗組員は自分たちが実験によって地球を破壊したのではないかと不安になっていました。
さらに宇宙ステーションの位置を把握するための装置であるジャイロもなくなっており、現在地もわからない状況でした。
ヴォルコフは、自分の眼球に違和感も感じ始め、マンディは管理していた虫がいないことに気がつきます。
突然、人が現れる
絶望的な状況の中、司令官のキールはステーションの維持を主張しますが、地球への帰還方法を探る方が優先など乗組員クルーとの口論は続いていました。
そんな中、何者かの悲鳴や泣き声のような音がステーション内に聞こえてきます。
みんなその音に気づきその発生源を探していると、エンジニアのタムが壁の中から聞こえてくることに気づきます。
危険性を感じましたが、壁のプレートを外すことにしました。
壁を開けると、壁の配線スペースにミーナ・ジェンセンという女性が左肩と左太ももに配線が通っていました。
ミーナはなぜかエヴァを見かけると、エヴァの名前を口にし、エヴァのことを知っていました。
逆にエヴァはミーナのことを知りませんでした。
ミーナを医務室に運び、モンクがミーナの治療にあたりました。
その頃、地球では
その頃、地球でマイケルはエヴァたちのいる宇宙ステーション「クローバーフィールド」が、消息を絶った、と連絡を受けていました。。
さらに街では爆発が起きていて、ロシアが爆弾を投下したのではないかと噂されていました。
マイケルの走る車の前には壊れた建物の奥に巨大な影を見つけます。
身体からウジ虫
ヴォルコフは、ドイツ人のシュミットが何か企てたと考えていました。
ヴォルコフは鏡を見ていると、皮膚の下で虫が動いており、右目が見ていた方向と違う向きに向いてしまいました。
それからヴォルコフは3Dプリンタで銃を作成し、シュミットのもとに駆け寄ります。
シュミットに銃を向けながら言いがかりをつけますが、次の瞬間ヴォルコフは泡を吹いて倒れ、痙攣を起こしてしまいます。
シュミットを医務室に運びますが、ヴォルコフは心停止し、口からウジ虫が飛び出しました。
集まっていた乗組員クルーは、何が起こったのか困惑するのでした。
裏切り者?
ミーナが目を覚またと連絡を受けたキールはエヴァは話しを聞きに行くように話します。
ミーナは自分はこの宇宙ステーションのエンジニアだったと言います。
しかし、このステーションのエンジニアはタム。
そしてエヴァは家族と地球にいるはずだと、ミーナは言いました。
さらにミーナはシュミットが裏切り者と知っていて、それをエヴァに話します。
そのことを聞いたキールは、シュミットのログを閲覧します。
そこには、ロシアが制圧されるまで、シェパードをオフラインにするといった内容が書かれていました。
裏切られたと思ったキールは、シュミットを閉じ込めます。
マンディの右腕
宇宙ステーションの修理をしていたマンディは突然壁の空間が歪み、右腕が吸い込まれてしまいます。
壁の奥に引き寄せられており、助けを呼ぶ声に駆けつけたエヴァらに引っ張って助けてもらいます。
しかしマンディの右腕は綺麗に右肩から切り取られていました。なぜが失った右腕には痛みを感じていませんでした。
その頃、シュミットを閉じ込めていたロックが解除され、シュミットは外に出ることができました。
シュミットはマンディの右腕が勝手に動いているのを発見します。
そのことを知らされた乗組員たちは、マンディの右腕をケースに閉じ込めます。
マンディは自分の意思では動かしていないといいます。
右腕が何か書きたそうなので、ペンを渡してあげると、右腕が床に文字を書きました。
と書かれていました。
ジャイロ発見
タムがヴォルコフの体にメスを入れると、体内からジャイロが見つかります。
ジャイロをセットしたことで、宇宙船の上下が逆さまになっていることが判明し、太陽の位置が分かり、地球の位置も特定できました。
地球に通信をしようとしますが、異変を感じ地球のテレビのニュースをつけてみると、宇宙ステーション「クローバーフィールド」が落下したと報道されていました。
シュミットは、シェパード粒子加速器の実験で、パラドックスが起こり、別の次元に来たことに気づきます。
もう一度起動をして、シェパード粒子加速器をかければ、元の次元に戻れるはずで、ミーナは脱出ポットで地球へ帰らせることにします。
タムは、換気機能が作動していれば、シェパード粒子加速器が上手く起動することに気づきます。
換気装置の点検に向かいますが、その部屋でシステムエラーが発生して閉じ込められてしまいました。
その部屋に大量の水が入り、タムは皆に助けを求めますが、扉が開くことはありませんでした。
そうしていると外壁の扉が壊れて開いてしまい、あっという間に水が氷ってタムは固まってしまいました。
エンジニアのタムがこの事故で亡くなってしまったので、その代わりの要員にエヴァはミーナならできると判断します。
子供の生存
エヴァはミーナから、この世界の自分の家族の映像を見せてもらいます。
エヴァは夜でも読書できる湯鬼と取り付けた動力電池による火災によって亡くなった子供はこの世界では生きていました。
エヴァは子供たちに会うため、ミーナと一緒に脱出ポットでこの地球に残ることを決めます。
ミーナの助けもあって、210kWのエネルギーがあれば、元の世界に戻ることができると分かります。
一時的に酸素のシステムを切ることで、エネルギーの供給は可能となるので、マンディは酸素室に向かうことにしました。
宇宙ステーションの異常
配線の作業をするマンディでしたが、磁力異常が発生して横の壁に引き寄せられてしまいます。
腰に巻きつけた工具を外してなんとか自由を取り戻しますが、配線し使用していたハンダが磁力によって伸びてきてマンディの体に巻きついてしまいます。
さらに磁力によって引き寄せられたボンベによって爆発を引き起こしてしまいました。
この爆発によって宇宙ステーションの維持をするのが危険な状態となり、維持するためにはステーションからメンテナンス用のリングを切り離す必要がありました。
キール、モンク、エヴァの3人はそのステーションリングを直接切り離しに宇宙服を着て向かいました。
このステーションリングの切り離しには内部からの操作が必要で、司令官のキールはエヴァにステーションのことを任せて、メンテナンスリングを切り離しました。
キールはステーションリングと共に切り離されていってしまいました。
ミーナの裏切り
エヴァとミーナは脱出ポットに移動し、シュミットとモンクは元の世界に戻るためにシェパード粒子加速器の軌道に取り掛かります。
ミーナは保管されていた銃を持ち出し、脱出ポットに入って、エヴァを銃のグリップで殴り気絶させます。
そのままステーションに戻り、発射コードなど持つモンクを撃ち殺し、次はシュミットに銃を向けて撃ちます。
目を覚ましたエヴァは、ミーナを止めに向かいます。
エヴァに気がついて、ミーナは彼女を殺しにかかります。
エヴァは隙をついて銃を奪いますが、ミーナと取り合いになり暴発した弾が窓にあたり、ヒビが入ります。
空気が吸い込まれていき、エヴァは部屋の外に移動します。ミーナは窓に引き寄せられてそのまま窓が割れて宇宙空間へと飛んでいきました。
メッセージ
エヴァはシュミットの手当てを行います。
そしてエヴァはこの世界にいるエヴァにシェパードアクセラレータの設計と運用計画のデータとメッセージを残しました。
1つ目、もし家に電池を取り付けているならすぐに外して。それは間違い。もしこれらの計画がうまく行けば電力を吸い上げる必要はなくなる。
2つ目、夫と子供に会って、できるだけ長く抱きしめて。どれだけ幸せなことか、家族といられることが。それが全てよ。
帰還と異変
エヴァとシュミットは、シェパード粒子加速器を起動し、元の世界に戻ることができました。
通信を再開し、宇宙ステーションが持たないこともあり、エヴァは救助命令を頼み、シュミットと共に地球へと脱出ポットで向かいました。
その連絡を聞いたエヴァの夫のマイケルは、この地球に帰らせては駄目だと担当のジョーに訴えます。
しかし宇宙ステーションが持たなく、すでに脱出ポットで向かっていると言われました。
エヴァとシュミットを乗せた脱出ポットは、雲を抜けて落下していきました。
その雲の下から雲の上に向かって巨大な怪物が現れました。
エンドロール後
エンドロール・スタッフロール後は何もありませんでした。
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シリーズの繋がりは?
今作品で地球上に現れた1作目の怪獣や2作目の宇宙人の原因は”シェパード粒子加速器”によって発生した時空の歪みによって発生した”パラドックス”によるものだと明らかとなりました。
作品中でのシェパード粒子加速器”の危険性を訴えるテレビ映像でそれを裏付ける説明もされておりました。
宇宙ステーション「クローバーフィールド」で行われているシェパード粒子加速実験を学者のマーク・スタンブラーは
この実験には混沌を解き放つ可能性がある。過去や未来、多次元に影響する。
とニュースで批判していました。
時間軸としてこの作品は2028年の頃の話ですが、この実験によって1,2作目の2000年代へも影響を与えたということだと思います。
タグルアト社は出てきた?
終盤の宇宙船内で磁力異常が発生するとき、電気配線のボックスに「TAGRUATO」という文字が確認できます。
この宇宙船もタグルアト社製ということですね。
Slusho!は出てきた?
タグルアト社の清涼飲料水の「Slusho!」は飲まれることはなかったですが、これも宇宙船内で「Slusho!」の人形が登場していました。画面アップで意味深な感じで映るのでわかりやすいかも。
次回作は?
クローバーフィールド4作目はすでに撮影を終わっており、2018年10月米国公開予定でタイトルも「オーバーロード(原題:Overlord)」とされているみたいです。ただ、タイトル名は変更される可能性が高いそう。
そしてこの作品の舞台は第2次世界大戦下の戦場。米軍の兵士たちが「超自然の軍隊」と対峙する物語なのだそうです。
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映画感想・まとめ
海外ドラマの「LOST」や「フリンジ」でハマったJ・J・エイブラムスの作品。1作目と2作目の繋がりもはっきりしたものではなかったので、今回も繋がりは期待せずに最後に異質な何かが出てくるのかな、とだけ思って鑑賞しました。結果、面白かった!
1作目はブレア・ウィッチ・プロジェクトみたいな擬似ドキュメンタリー調のパニック映画、2作目は密室サスペンス、で今回は宇宙SFパニック。
緊張感もあって、テンポも良く進むので、最後まで楽しめました。
あと最後の怪獣デカ過ぎ(笑)
今回で怪獣などの発生の原因が粒子加速器の実験によるものだとわかりました。過去や未来にも影響するということなので、どんな題材にも絡めれますね。タグルアト社との繋がりなど今後の展開で明らかにしていって欲しいです。
2つのパラレルワールドが重なったり、もう一つの世界では子供が健在で主人公がその世界に残ろうとしたりなんて「フリンジ」でそういう話ありましたね。”ウォルター”と”ピーター”が頭に連想しちゃいました。
タム役のチャン・ツィイーって英語しゃべれるはずやのに、この作品ではわざわざ終始中国語。エイブラムス作品やし、後からそれが聞いてくる布石かと思ってたら何もない。ただ中国語喋ってただけ。意味ない。マジ余計でした。
映画始まって冒頭のエヴァ・ハミルトンと夫の会話はどっちの世界の会話だったのでしょう。もう一度観てみようかな。
twitterまとめ
いいなと思うツイートをピックアップしました。
「クローバーフィールド パラドックス」面白かった。ただラストのアレはシリーズ観てないと“!?”ってなると思う
— マフィア梶田 (@mafia_kajita) 2018年2月12日
いつもサプライズ発表するシリーズ【クローバーフィールド】今回は急に情報を解禁したと思ったら早速本日からNetflixで見れる模様。映画ファンにはたまらないサプライズで有り難い! pic.twitter.com/0s0tgnd2Bg
— D-Movie® (@DmovieDM) 2018年2月5日
「クローバーフィールド・パラドックス」鑑賞
突如としてニューヨークに現れた怪獣の正体とは何か。怪獣がどこからやってきたのか明かされた本作だが10クロでもあった後半の失速と物語の雑さが受け継がれてしまっていた。今まで謎が50あったとして今作終わりに100を残して終わったような終わり方だった pic.twitter.com/mwcThMze0n— リヴァ羊 (@auba17iold14) 2018年2月7日
クローバーフィールドパラドックスを観た。まさかの怪獣オチとは思わなかったけど、シェパード粒子加速器がクローバーフィールド世界のそもそもの元凶なのか?
— ひろぽん (@Hiropon64) 2018年2月12日