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OLD オールド 映画ネタバレ感想 今の時代を風刺したオチ?

OLD オールド 映画ネタバレ感想 今の時代を風刺したオチ?

M・ナイト・シャマランの最新作「OLD」を観てきました。

シャマラン作品を全部見ているシャマラニストにとって期待していた新作「オールド」。
そのビーチは一生を一日で終える”という謳い文句通り、ビーチで起こるさまざまな不思議な現象、そしてその謎が明かされる伏線回収。
今回もどのような謎解きがあるかを期待して観に行った人が多かったのではないでしょうか。

なぜこの家族が選ばれたのか。など最後には今のコロナ禍のワクチン開発を風刺するようなオチがありました。
詳しくは下記のネタバレで。

2021年製作/108分/G/アメリカ
原題:Old
配給:東宝東和

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作品紹介・あらすじ

人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。

出典:https://wwws.warnerbros.co.jp/tenetmovie/introduction.html

 

キャスト

脚本・監督・製作はもちろんM・ナイト・シャマラン。
製作はシャマランの他に「スプリット」や「ミスターガラス」でも一緒だったアシュウィン・ラジャンとマーク・ビエンストック
製作総指揮は「ペット・セメタリー」、「ブレアウィッチ」のスティーブン・シュナイダー。
原作はピエール=オスカル・レビとスイス出身でバンド・デシネ作家(漫画家)のフレデリック・ペータースです。

キャパ家

  • ガイ・キャパ / ガエル・ガルシア・ベルナル
    保険数理士。病を理由に浮気されつつも、妻プリスカを守っていたガイ。精神に異常をきたしたチャールズに襲われた時も、切り付けられながらも必死に守りました。その頃にはすでに視力が著しく低下しており、プリスカより少し前に老衰で亡くなっています。
  • プリスカ・キャパ / ビッキー・クリープス
    博物館の学芸員。下腹部に腫瘍を抱えて、行く末に不安を感じ離婚を考えていたプリスカ。メロン大に肥大した腫瘍を摘出した後は健康になりますが、老いで左耳の聴力を失います。ビーチでガイと1日=50年近くを一緒に過ごし、最期は老いとともに過去の諍いすら忘れて穏やかな時間を過ごしました。ガイの少し後に同じく静かに老衰で死去。
  • マドックス・キャパ / アレクサ・スウィントン(11歳) / トーマシン・マッケンジー(16歳) / エンベス・デイヴィッツ(中年)
    キャパ家の長女。当初11歳だったマドックスは、昼前にはもうハイティーンに。カーラとの子どもを亡くし、カーラをも亡くしたトレントをそばでずっと支えていました。両親を看取り、脱出した時には60歳近くになっています。
  • トレント・キャパ / ノーラン・リヴァー(6歳) / ルカ・ファウスティーノ・ロドリゲス(11歳) / アレックス・ウルフ(15歳) / イーモン・エリオット(中年)
    キャパ家の長男。ビーチに来た当初は6歳だったトレント。急速に成長していきなり思春期に突入し、チャールズの娘カーラと性交して彼女を妊娠させてしまいます。夜を迎えた頃にはすでに30代の大人になっており、老衰で亡くなった両親を看取りました。脱出に成功した際には50歳を超えています。

チャールズ一行

  • チャールズ / ルーファス・シーウェル
    心臓外科医。ストレスによって休暇を取っていた心臓外科医のチャールズ。母アグネスの死とストレスで、精神疾患が進行してしまいます。錯乱しガイとプリスカにナイフで切りかかりますが、プリスカに錆びたナイフで切られ、全身に毒が回って死亡しました。
  • クリスタル/ アビー・リー・カーショウ
    チャールズの妻。チャールズより10歳ほど年下に見える若い妻クリスタル。老化が顕著になるとみるみるシワが増え、低カルシウム血症のため背骨も湾曲し、見られることを恐れて1人で洞窟に隠れていました。トレントたちと遭遇し、動揺して狭い洞窟の中で立て続けに骨折。すぐに治癒するため、体中ボキボキになった状態で死亡しています。
  • カーラ/ エリザ・スカンレン
    チャールズの娘。当初はトレントと同じ6歳。成長してトレントと性交し、妊娠してしまいます。すぐに出産を迎え、乳児は無事生まれてきたものの、急激な時間の変化に適応できずに即死。崖からの脱出を試みますが、途中で気絶して落下死しました。
  • アグネス/ キャスリーン・チャルファント
    チャールズの母。ビーチに来た時点でかなりの高齢であり、孫のカーラと海で少し遊んだ後すぐに様子が急変します。トレントが発見した死体を見たすぐ後、心不全で亡くなりました。一緒に連れてきた飼い犬も同じ頃に急死しています。

その他の人々

  • ミッドサイズ・セダン/ アーロン・ピエール
    ラッパー。血が止まらなくなる血友病患者で、精神疾患が進行したチャールズにナイフで滅多刺しにされて失血死しました。トレントが発見した死体の女性は連れで、彼女は多発性硬化症でした。女性はビーチで泳いでいたところ、気絶して溺死したようです。
  • ジャリン/ ケン・レオン
    看護師。パトリシアの付き添いとしてホテルにやって来たジャリン。元水泳選手だったため、海を渡っての脱出を試みますが、途中で気絶して溺死。岸に流れてきたところを、マドックスに発見されます。
  • パトリシア/ ニキ・アムカ=バード
    精神分析医。ジャリンの妻パトリシアは、てんかんを患っています。朝起こった発作から8時間後、つまり16年後に再び発作が起こり、そのまま死亡。セラピストの姉に会いたいからと、海からの脱出を試みようとした直後でした。

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OLD オールド ネタバレ

シャマラン監督からのメッセージ

今回、皆さんに映画館で作品を見せられることになって嬉しい、というようなメッセージが流れました。

インターネットで偶然見つけたリゾートホテル

父親のガイ、母親のプリスカ、姉のマドックスと弟のトレントのキャパ家族の4人はインターネットで偶然見つけた格安のリゾートホテルへ遊びに来た、キャパ一家。家族4人で南国のリゾート地に訪れていました。

ホテルのシャトルバスでホテルに到着すると、ガイとプリスカにはウエルカムドリンクで出迎えられます。
二人の好みに合わせて用意したというカクテルが振る舞われます。

マドックスとトレントはロビーに備え付けてあるドリンクバーを満喫するのですが、そこでホテルオーナーの甥っ子というイドリブに出会います。

ホテルのマネージャーの甥というイドリブとはちょうど同じくらいの年齢というのもあり、トレントはイドリブと仲良くなります。

長女のマドックスと弟のトレントはホテル内を散策します。
トレントには、人の名前と職業を聞いて全て覚えるという特技があり、ホテル内のお客さんに、名前と職業を聞いて回ります。

ホテル内には、医者やダンサー、警察官など、さまざまな人がいました。

 

離婚前の家族旅行?

部屋にチェックインした後、ホテル側のビーチで楽しい時間を過ごすキャパ家族。
トレントは約束したとおり、イドリブと一緒にビーチを走り回ります。
トレントとイドリブは他の客に話しかけて職業を尋ねて回るのでした。

部屋に戻った後、トレントはイドリブから特殊な暗号で書かれた手紙を渡され、その暗号を解く遊びに夢中になっていました。

両親のガイとプリスカは家族旅行に来ても口論をしてしまいます。
プリスカはこの旅行を最後に、ガイと離婚することを決めていました。

プリスカは、病を患いお腹に腫瘍ができていた為、心配したガイは離婚を考え直すように提案しますが、プリスカは応じません。
マドックスとトレントは、旅先で喧嘩をしているガイとプリスカに、呆れた様子を見せます。

翌日朝、ホテルのレストランで朝食を取っていると、ホテルのマネージャーから「この近くにプライベートビーチがある」と教えてもらいます。
マネージャーから「限られた人にしか教えていない」と聞かされたキャパ家は、そのプライベートビーチへ行くことを決めます。

同じく朝食を取っていた医者のチャールズとクリスタル、そして娘のカーラとチャールズの母親のアグネスもこのビーチツアーに参加することにしたのでした。
その瞬間、1人の女性が発作を起こして倒れます。

発作を起こした女性の名はパトリシアで、看護師の夫ジャリンと、近くにいた医者のチャールズが看護をします。
それからパトリシアの発作は収まるのでした。

 

秘密のプライベートビーチへ

朝食後、キャパ家が、プライベートビーチに向かう車に乗ると、チャールズと妻のクリスタル、娘のカーラ、祖母のアグネスも乗り込んで来ます。

シャトルの駐車地点から食料やビーチチェアーなどの荷物が多く、チャールズは運転手に「荷物を運ぶの手伝ってもらえないか?」と尋ねますが、「急いで戻らないといけないので、手伝えない。」と断られます。

運転手は「電話をくれればいつでも迎えに来るし、何もなければ5時には迎えに来る。」と行って立ち去るのでした。

一行はビーチへの道を歩いていきます。
途中、岩に挟まれた狭い隙間を通って行くのですが、そこを通り抜けると崖に囲まれた素晴らしいビーチが広がっているのでした。

早速荷物を下ろし、ビーチパラソルを立ててビーチチェアーを広げます。
子供たちは砂浜を走り回って遊ぶのでした。

キャパ家はビーチには先客として一人の男性がいることに気がつきます。
その男は崖のそばの日陰になっているところに座っていましたが、マドックスはその人物がラッパーのミッドサイズ・セダンであることに気づきます。

また、マッドクスとトレントは崖の近くのとある砂の上にたくさんの落し物があることに気が付きます。
以前にここに訪れた客の忘れ物のようで、ホテルの食器なども見つかるのですが、それにしてもやたら数が多いのが、ちょっと気になるほどでした。

マッドクスとトレントとカーラたち3人は一緒にビーチで遊びます。
子供達は何度となく親のところに戻ってきては「お腹がすいた」と食事をねだるのでした。

マドックスとトレント、カーラはかくれんぼをして遊んでいました。
トレントが波が打ち寄せる岩場に隠れてマドックスとカーラの二人をやり過ごしていると、後ろから何かが流れてきます。
それがなんであるかに気が付いたトレントは悲鳴を上げて両親のもとに助けを求めて走ってきたのでした。

 

ビーチで水死体発見

OLD オールド 映画ネタバレ感想 今の時代を風刺したオチ?

トレントが見つけたのは女性の水死体でした。
楽しく穏やかな雰囲気は一変します。

その水死体の女性はミッドサイズ・セダン(ブレンダン)の友人でした。
チャールズは、セダンの犯行を疑いますが、セダンは「泳ぎに行って行方不明になっていた、何も知らない」と言います。

携帯で連絡を取ろうとしたのですが、電波が入らず、連絡が取れません。

このときミッドサイズ・セダンは鼻血を出しており、これがなかなか止まずにずっとハンカチで押さえたり、ぬぐっていました。

 

さらにビーチに招かれる観光客

そんな中、プライベートビーチにはさらに観光客がやってきます。
その観光客は朝食の時にてんかんの発作を起こしたパトリシアとその夫のジャリンの二人でした。

女性の死体が発見されたことでチャールズとセダンが揉めている為、ジャリンがホテルに電話をしますが、電波が届きません。
ジャリンが、渓谷を抜けて戻ろうと試みますが、途中で凄まじい頭痛に襲われ、意識を失い、ビーチに戻されます。

一体何が起こっているのかが分からず、混乱する大人たち。

水死体が見つかったことで子供たちはプリスカと一緒に離れたところで待つことになります。

その間も子供たちは「お腹がすいた」と食事を続けています。
そんな中、トレントがビーチの向かいの崖の上で何かが光ったことに気が付くのでした。

他の大人たちが戻ってこないことが気になった子供たちはプリスカに聞きに行きます。
そしてトレントは水着がきつくなったことを訴え、プリスカは何かがおかしいことに気が付き始めます。

医師のチャールズは自分たちが来る前からビーチにいたミッドサイズ・セダンのことを疑い、強い口調で問い詰めます。

そんな中、クリスタルがアグネスの体調が悪くなったとチャールズを呼びに来ました。
アグネスの元に戻るチャールズ。
アグネスは「ちょっと胸が苦しい感じがする」などと普通に話をしていましたが、ほどなくしてアグネスは突然意識を失ってしまいます。

アグネスに心臓マッサージを施して、助けようとするチャールズでしたが、アグネスはそのまま亡くなってしまうのでした。

 

子供達が急成長?

子供たちに異変が起きます。

パトリシアとジャリンがマドックスとトレントと話をしていました。
その話の流れででジャリンが二人の年齢を聞きます。

二人とも10代だと思っていたパトリシアとジャリンでしたが、トレントの「6歳」という答えにとても戸惑います。

そこにプリスカが二人を探しにやってきます。

パトリシアとジャリンは目の前にいる自分たちの子供に気が付かないプリスカに、「何かの冗談ではないか?」と気味悪がります。
子供たちもプリスカに「自分たちはここにいる!」と声を上げるのでした。

プリスカの目に映っているのは6歳のはずなのに11歳くらいに成長したトレントと11歳であるマドックスが16歳くらいになっている姿でした。
そこにやってきたガイも一体何が起こっているのか分からず、戸惑います。

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ガイとプリスカは「とにかくこのビーチを出て子供たちを医者に見せないと!」と話し合います。
ですが、大人たち全員で来た道を戻ろうとしても岩の隙間を通る途中で気を失い、気がつけばビーチに戻ってきてしまうのでした。

理解できない状況に何とか説明をつけようと、それぞれが混乱する頭で考えます。
すると、チャールズはポケットに持っていたナイフを取り出し、ミッドサイズ・セダンに近寄ったと思うといきなりミッドサイズ・セダンの顔に切りつけます。

周りにいた他の人々は全員驚き、チャールズを止めます。
切りつけられたミッドサイズ・セダンは傷を負った頬を押さえるのでした。

チャールズは自分の行動を謝り、傷の手当てをしようとジャリンらがミッドサイズ・セダンの顔を見ると、たった今切り付けられたはずなのに、すでに血は止まり、傷跡しか残っていませんでした。

 

みんな疾患持ち?

パトリシアのアドバイスで全員が集まります。
なぜこのリゾート地に来たのかを話し合うことにします。

ミッドサイズ・セダンは血友病という血液が固まりにくい遺伝性血液凝固異常症を患っていることが分かります。

チャールズ一家は、医師のチャールズが仕事のことでストレスを抱えておかしな言動をするようになったことで、休暇が必要だとここに来たと言います。
ですが、チャールズは自分がおかしくなっていることを認めようとはしていませんでした。

ガイとプリスカは子供たちにも明かしていなかったことを話します。
それはプリスカが良性腫瘍に冒されていることでした。

腹部右側にゴルフボール大の腫瘍があることを話していたのですが、その途中でプリスカは倒れてしまいます。
チャールズとジャリンが調べてみると、腫瘍がソフトボール大にまで肥大していました。
その場でチャールズの持っていたナイフでプリスカの腹部を切開し、腫瘍を取り出すことにします。

チャールズが腹部にナイフを切りつけるのですが、ナイフによって切り開かれた腹部は見る見るうちに回復し、傷跡になってしまうのでした。
信じられないと驚くのですが、再度腹部を切開して傷がふさがる前にジャリン、ガイで術部を手で押さえ、腫瘍を取り出すことに成功します。

この後、プリスカは意識を取り戻し、無事回復するのでした。

ですが、手術を始めた頃から、チャールズは謎の独り言を喋るようになります。
実は、チャールズは日々のストレスから統合失調症となっており、精神が不安定になっていました。
チャールズの妻であるクリスタルも、低カルシウム血症であることが分かります。

一見、無関係に思えたプライベートビーチへの招待者は、全員が家族または本人に何かしらの病気があることが分かります。

 

30分が1年相当の時間経過?

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ミッドサイズ・セダンは気になることがあり、水死体で見つかった女性の死体の確認に行きます。
死体はタオルで覆われていましたが、そのタオルをめくるとさっき見つかった水死体は腐敗が終わっており、骨だけになっていました。

博物館で仕事をしているプリスカは死体が完全に白骨化するには1年ほどかかるはずですが、時間にして30分ほどしか経っていないことから、「ビーチでの30分は、通常の1年に相当する」と計算し、このビーチでは、約50年の時間が1日で流れていくことが判明します

大人達が、ビーチの謎を究明している間に、大人になったトレントとカーラはタオルで作られた簡易テントの中にいました。
トレントとカーラがいないことに気が付いたプリスカとクリスタルは二人を探します。

探している声に気が付き、二人で外に出て皆を安心させようとするのですが、そのカーラのお腹は妊婦のように膨れていたのでした。

カーラは妊娠しており、早いスピードで胎児は成長していきます。
事態を理解するよりも早く、出産が迫ってきてしまい、カーラはパニックになります。

クリスタルもパニックを起こし、助けを求めるカーラから走り去ってビーチから抜け出そうとします。
ですが、クリスタルも岩場の隙間を通ろうとすると、気を失って戻ってきてしまうのでした。

パトリシアとジャリンの助けもあり、カーラは無事出産しますが、取り上げた赤ちゃんはビーチの時間経過のスピードについていけず、死んでしまいます。
カーラはショックを受け、この出来事でクリスタルとチャールズが精神的に参ってしまいます。

チャールズは統合失調症が酷くなってしまい、訳のわからないことを言って持っていたナイフを砂浜に何度も突き刺すという危ない行動を取るようになるのでした。
低カルシウム血症のクリスタルは加齢による衰えが目立ってくるようになります。

ここから抜け出すために、チャールズに何とかしてくれとヒステリーを起こすクリスタル。
それが引き金になったのか、チャールズはずっと疑いを持ち続けていたミッドサイズ・セダンに襲い掛かり、ナイフでめった刺しにして殺してしまうのでした。

ビーチの対岸の崖の上ではそんな彼らの様子を見ている人物が存在いました。

 

脱出方法を探るも命を落としていく

ミッドサイズ・セダンを殺したチャールズは放心状態となり、地面に座り続けていました。
ガイはチャールズからナイフを取り上げ、プリスカのカバンの中に隠します。

ジャリンはパトリシアの薬もないまま、てんかんの発作がいつ起こるかわからない状態のため、ビーチから脱出する決断をします。
ジャリンは沖に向かって泳いで行きました。

残された人々はチャールズにおびえて、彼の状態を気にしながら他に脱出の方法がないかを考えます。
崖を登る方法を思いつきますが、失敗した時のことを考えると、誰も実行には移せませんでした。

そんな中、マドックスはプリスカに気になっていたことを尋ねます。
プリスカが不倫をして、ガイと別れ、不倫相手と一緒になろうとしているのではないか、ということでした。
プリスカはそれを認めます。

ショックを受けたマドックスにプリスカはその時の状況と自分の気持ちを伝えます。
プリスカはマドックスに理解を求めますが、マドックスは一人で考える時間が欲しいとしか答えられません。

マドックスは一人になるため、傷付いた心のまま海の中に入って行きます。
悲しんでいるマドックスでしたが、そんな彼女に何かがぶつかります。

それは泳いでビーチを脱出しようとしたジャリンの水死体でした。
ジャリンの死に悲しむキャパ家族とパトリシア。

そんな中、カーラは彼らがおかれた現状に対してとてつもない理不尽さを感じて怒りをあらわにしていました。
そしてトレントの制止も聞かず、カーラは崖を登り始めるのでした。

騒ぎを聞きつけたガイ、プリスカ、マドックスもやってきます。
心配そうに様子を見ていますが、カーラはどんどん崖を登って行きます。

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カーラはついに、もう少しで登りきる地点まで辿り着き、崖上まではもう少しというところでカーラの動きが止まってしまいます。
カーラはやがてふらふらとしだし、意識を失い、トレントの叫びもむなしく、カーラは崖から落ちてしまいます。

カーラが亡くなって、悲嘆にくれるキャパ家族。

そんな彼らの前に、浮き輪の代わりになりそうなものを抱えたパトリシアが現れます。
彼女はてんかんの発作持ちでしたが、その薬はを持っておらず、発作が起きた場合に致命的なことになることを焦っていました。
泳いでビーチを抜け出すことにし、気を失っても浮いていられるように、との配慮でした。

ですが、その時パトリシアはてんかんの発作に襲われてしまいす。
パトリシアは地面に倒れ、激しく痙攣し、やがて口から泡を吐き、そのまま息を引き取るのでした。
側にいたキャパ家族の4人は、何もできないままでした。

クリスタルは自身の置かれた状況に過度なストレスを感じ、精神を病みカーラの名前を呼びながら崖の近くのビーチを徘徊していました。
地面に落ちていた荷物の中に、鏡のように反射する金属製の箱を見つけて、拾い上げます。
そこに写った自分の姿はすっかり年老いており、背骨も曲がってしまっていました。
低カルシウム血症のせいで骨に異常が見られるようになってしまっていたのです。

次々と生存者が亡くなっていくことに絶望感を感じるキャパ家族の4人。
日も沈み、夕暮れから夜へとなっていきます。

 

ガイの視力低下とプリスカの聴覚低下

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そんな中、ガイは自分の視覚がぼやけていくことに気が付きます。
ガイは老衰のため、はっきりとものを見ることができなくなっていたのでした。

プリスカも体に異変が起こっていることに気が付きます。
プリスカの左側の耳の聴覚が落ちてしまい、全く聞こえなくなっていることに気が付くのでした。

キャパ家族は浜辺で火を起こし、夜に備えます。

マドックスとトレントは焚火の燃料となる燃やす物がないか、残された人々の忘れ物が多く見つかった場所を探していました。
そこでマドックスはノートを見つけます。
そのノートには以前、このビーチに閉じ込められた人が記していた日記が書かれていました。

それは、前にこのビーチを訪れた人が書かれてたメモで、渓谷を作り出している岩が深海から伸びていて、人の老いを加速させる効果があることが分かりました。
さらに、ノートには、このビーチを訪れて以降、行方不明になった人の名前が書かれていました。

トレントはふとビーチ対岸の崖の上を見上げ、そこにいる人物がカメラで録画をしていることに気が付きます。
マドックスに知らせ、「助けもよこさずに、なぜそのようなことをしているのか。」と不審に思います。

焚火の側で寄り添うガイとプリスカ。
ガイは、プリスカに話しかけます。
ある日、ガイはプリスカの携帯を見たときにプリスカの不倫の事実を見つけたことを打ち明けるのでした。
プリスカは素直に謝り、ガイはその時に自分一人で抱え込んでしまった勇気の無さに後悔していると話します。
お互いの思いを正直に話し、二人はお互いに許し合うのでした。

夜も更けてあたりが暗闇に包まれたころ、チャールズがプリスカのカバンの中に隠されたナイフを取り返します。
そして焚火のそばに座っていたガイに襲い掛かるのでした。

統合失調症が悪化したチャールズは勝手な妄想に不安感を増大させた結果、ガイにナイフで切りつけます。
ガイは視界が悪いため、全く反撃も攻撃をかわすこともできず、必死にチャールズに話しかけて正気を取り戻させようとしますが、全く効果はありません。

プリスカの耳が聞こえないこともあって、最初はガイが襲われていることに気が付きませんでしたが、異変に気が付き、必死に止めようとしました。
ですが、プリスカとチャールズでは体力差もありで止めることができません。

異変に気が付いたマドックスとトレントもやってきますが、プリスカは二人に危害が加わらないよう、身を隠すように言います。

そしてプリスカは地面に落ちていた錆びたナイフを拾い、ガイとチャールズの間に割って入ってチャールズの腕を切りつけるのでした。

錆びたナイフで切り付けられたチャールズは、ナイフの錆びが毒になってチャールズの体を襲い、チャールズは倒れて死亡します。

 

ガイとプリスカは寿命で亡くなる

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一方、チャールズから逃げ出したマドックスとトレントは崖にできていた洞窟内に逃げ込みます。
その奥で何かにつまずくのですが、それは年老いたクリスタルでした。

トレントは持っていたマッチで明かりを付けますが、姿を見られたくないクリスタルはその火を吹き消しに近寄ります。
クリスタルは低カルシウム血症がひどくなって、背中は丸まっていました。

トレント達に近寄っていくクリスタルは狭い洞窟の中、壁に腕を打ちつけるたびに腕は骨折し、急速にそのまま骨が固まります。
見る見るうちに異形に変わっていくクリスタル。
そして気も変になっているようで、マドックスとトレントはクリスタルに恐れを抱きます。

クリスタルはマドックスとトレントに「灯りを消して!」と叫びながら、老衰で死んでいくのでした。

チャールズの一件が済んだことで、4人は焚火の周りに集まって家族の時間を過ごします。
両親は最後の時間をお互いに寄り添っていました。

二人はもう、記憶もあやふやになっており、なぜケンカをしていたのか、何を怒っていたのか、思い出せなくなっています。
そのままガイとプリスカはお互いに一緒に過ごせたことに幸せを感じながら亡くなっていくのでした。

 

ビーチからの脱出はイドリブの暗号がヒントに

夜が明け、朝になったビーチ。

そこにはマドックスとトレントしか生き残っていませんでした。
2人とも50〜60代くらいの中年の姿になっていました。

残り時間も僅かしか無くなった2人は砂浜でお城を作って遊び、短い人生の思い出を語り合って過ごしました。

ビーチからの脱出を諦めたように見えましたが、トレントはイドリブから渡された暗号の手紙を思い出します。

トレントは自分の荷物に目を通し、リゾートマネージャーの甥っ子、イドリブからの手紙を見つけます。
懐かしさに手紙を開き、暗号分で書かれた手紙を最後に解き始めます。
そこに出たメッセージを見たトレントは表情が一変したのでした。

そこにはマネージャーである叔父のことが書かれていたのです。

僕のおじさんは珊瑚が嫌い

その手紙の文面より、このビーチからの脱出はサンゴ礁にできた海底トンネルをくぐることで出られるのではないか、と結論付けます。
このまま数時間後には死んでしまうだけなので、2人はこの可能性にかけ、サンゴ礁を目指して泳ぎ始めます。

2人は潜ってサンゴ礁の海底トンネルを抜けて行きます。
途中でマドックスが着ていた服がサンゴに引っかかり、身動きが取れなくなってしまいました。

トレントも必死に助けようとしますが、2人とも息が続かなくなります。

 

ビーチは製薬会社の治験場?

そんなトレント達の様子を、崖の上から録画機材を使って監視していた人物がいました。
その人物は彼らを車でビーチに送ってきた運転手でした。

運転手は携帯で連絡を取り、生き残った2人がサンゴ礁の洞窟に気が付いて潜ったが、数分浮き上がってこないので、おそらく亡くなったであろうことを報告します。

そして、機材を撤収し、車に戻ってホテルに戻るのでした。

戻った従業員はホテルの秘密のエリアに入っていきます。
そこは製薬会社の一大研究施設で多くの研究者が新薬の開発を行っていました。

ビーチの時間経過が早いことに気が付いた彼らはその効力を利用して、開発した新薬の臨床治験に利用していました。
リゾートホテルのマネージャーである製薬会社の責任者は、何かしらの病気を抱える人を調べ、このホテルに誘導していました。
そして、その病気や症状に対して開発した新薬の効果があるかどうか、薬をウェルカムドリンクとして飲ませ、ビーチに送り経過を記録していたのでした。

今回はパトリシアに飲ませた発作の薬が、10年以上効果があったことが確認された為、製薬会社の研究員は大喜びします。
彼らは、”数人というわずかな犠牲で数億人以上の人々により良い健康を提供できる”と信じ、このような行為をずっと続けていたのです。

次の実験対象はパーキンソン病を持病に持つ客でした。
その客リゾートホテルが到着した際、ウェルカムドリンクを持ってスタッフが近づきます。

スタッフがウェルカムドリンクを渡そうとした瞬間、男性が近寄ってきてスタッフとぶつかり、ウェルカムドリンクを落とさせるのでした。

そのぶつかって来た男性はトレントでした。

じつはサンゴ礁の海底トンネルをマドックスと無事に潜り抜け、海面ぎりぎりにできていたサンゴ礁の穴から顔だけ出して息をし、見張りの人間に生きていることを見つからないようにして生還したのでした。

そしてトレントは休暇でホテルに来ていた警察官の男に、ビーチで入手したノートを渡します。
ノートに書かれていた人物が、全員行方不明者だった為、犯罪性があるとされ、ホテルに捜査が入ります。

 

警察が動き、保護される

警官の報告によって素早く捜査チームが結成され、リゾートに送られてきました。
製薬会社のスタッフは逮捕され、マドックスとトレントも保護されます。

警察のヘリコプターに乗り、リゾート地から家に戻る2人は、これから世話になる叔父叔母が、急に50代の甥と姪が現れたことに、どう反応するのかを心配します。
トレントは「おそらく大丈夫であろう。」と希望を持つのでした。
二人を乗せたヘリコプターはプライベートビーチの上空を通過するのでした。

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エンドロール後

特に何もありませんでした。

 

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シャマラン監督は運転手兼観察係で登場

シャマラン監督は自身の作品に必ず登場しています。今作ではビーチの監視人兼運転手として登場していました。

 

ビーチの正体と黒幕は?

トレントたちが見つけた過去の犠牲者の持ち物と思われるノートには、ビーチの周りを囲む岩は細胞を急速に成長させる特殊な鉱石で、何百年もかけて上昇して現れたのでは?という考察が書かれていました。

なぜ峡谷や海から脱出できないのかという問いには、深海から急浮上するように、急速な時の経過に体が順応できずに気絶してしまうのではないかという考えが浮上します。

じつは彼らが来たリゾートホテル自体が製薬会社の新薬治験施設であり、この特殊なビーチを使ってこれまでにも数々の治験者が犠牲になっていたのでした。

トレントと姉のマドックスは両親が老衰で亡くなった後も脱出をあきらめず、鉱石の影響を受けない珊瑚礁の間を泳いで脱出に成功し、ホテルで知り合った警察官に犠牲者のノートを渡し、告発したのでした。

 

原案はフランスのグラフィックノベル『Sandcastle』

『オールド』の原案は、フランス人作家ピエール・オスカー・レヴィと、作画のフレデリック・ピーターズによるグラフィックノベル『Sandcastle』です。

大筋は映画と同じで、ビーチに閉じ込められた男女13人の1日を描くストーリーですが、彼らは奇妙な出来事に混乱し、適応し、ついには諦観の域まで達します。シャマラン監督は娘にこの小説を教えてもらい、次々とインスピレーションが湧いたそうです。

シャマラン監督は自身の老いへの恐怖や驚きに重なるものを感じ、映画にしたいと思ったと言います。

 

新薬が入っているウェルカムドリンク

リゾートホテルを訪れた際に、各々に配られていたウェルカムドリンク。
それぞれの“好みを考慮して”作られたというそのドリンクの中には、実は密かに各治験者向けの治験薬が入れられていました。

出迎えたホテルのマネージャーやスタッフも、製薬会社の治験施設であることを承知の上、治験者の家族たちを受け入れていたのでした。
製薬会社の目的は、新薬の臨床試験を1日で行うこと。つまり普通だと時間がかかる治験を、このビーチで短縮させていたのです。

こうして知らないまま治験薬を飲まされ、マネージャーに勧められるまま治験場となるビーチへ向かわされていた家族たちは、それぞれの持病に対する治験者であることも知らされずに犠牲になっていきました。

 

持病持ちが集められた

製薬会社は持病のある患者の情報を、彼らが処方薬を受け取る時に収集しており、治験者に選んだ人物にこのホテルの格安情報を個別に送っていました。

パトリシアはてんかんの持病を抱えており、朝食の場面で一度発作を起こしていました。パトリシアが飲まされたてんかんの発作を抑制する治験薬は、彼女の発作を16年も抑えたことが後に研究者から言及されています。

研究者たちは犠牲となった治験者に対して短い黙祷はしますが、基本的にこの犠牲は「多数を救うための尊い犠牲」だと考えている様子。しかし犠牲者たちの痕跡を消し去ることも徹底しており、その冷徹さが伺えます。

 

イドリブからの手紙がヒントに

ホテルに到着してすぐに、マネージャーの甥であるイドリブと友だちになったトレント。
イドリブは暗号を考えるのが得意で、トレントに手紙を渡していました。

トレントたちがビーチへ向かう朝、イドリブはもう1通の暗号の手紙を彼に渡していましたが、実はこれがビーチ脱出のカギとなります。
その内容は「僕のおじさんは珊瑚が嫌い」。

最後の生き残りとなっていたトレントとマドックスは、この暗号から珊瑚礁の間を泳いで脱出することを思いつきました。

どうやら以前にもイドリブはこうした暗号の手紙を誰かに送っていたようですが、脱出に成功した者はいませんでした。
彼はおじさんが何か悪いことをしていると、気付いていたのようです。

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感想・まとめ

シャマラン監督の最新作「OLD」。30分が1年、1分で12日過ぎてしまうという恐ろしいほどの時間経過でうかうかしていられない展開が描かれるトリッキーなお話でした。生きること、死ぬことを見つめ直すような作品でした。

トレントとマドックス以外は全員死んでしまいます。
映画を見ている途中はどんどん登場人物が死んでいくのに、先が読めない展開でした。

最後のオチとしては、ビーチは製薬会社の臨床実験場として使われているというオチ。
このコロナ禍の時代、コロナウイルスが現れて、1年も待たずにワクチンが登場し、世界的にワクチン接種が広がっています。
そんな時代に皮肉ったオチにしたのかな。

シャマラン監督の作品は最後のどんでん返しが魅力ですが、その他にもシャマラン作品では傷ついた人たちが登場しますが、その人たちの心情を丁寧に描かれるストーリーも魅力です。

最後の家族旅行としていたが、夫のガイと妻のプリスカが終盤、お互いが掛け替えのない存在だと認め合うシーンなどよかった。

 

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