ガール・オン・ザ・トレイン 映画感想・ネタバレ 振り回された女の末路
劇場予告と「初めて体験する衝撃のラストに激震!」というキャッチコピーに惹かれてガール・オン・ザ・トレイン(The Girl on the Train) を観に行ってきました。
世界的ベストセラーの映画化ということで、同じように原作がベストセラーで去年公開された「ゴーンガール」みたいに面白い映画なのか、と勝手に期待し過ぎてしまいました。
確かに衝撃のラストでした。ちょっと期待は超えてこなかったですね。ハッピーエンドでもないし(そこは関係ないけど)。
それぞれ闇を抱える3人の女性が出てくるので、見る人にとっては捉え方や感じ方が変わってくる映画だと思います。
話は事件の当日、その2年前、6か月前や1か月前と時間軸が切り替わって話が進んでいきます。そして事件当日何があったのかが明らかになっていくといったもの。
主人公の女性はアル中で記憶が曖昧なレイチェルの主観で進んでいきます。あえてだと思いますが、どの時間かわかりにくくて、リピーターを増やそうとしているような作りになっています。
期待は超えてこなかったけど、犯人が最後までわからなかったし、楽しめるものでしたが、
Contents
作品紹介・あらすじ
愛する夫と離婚し、傷心の日々を送るレイチェル。落ち込む彼女の唯一の慰めは、通勤電車の窓から見える“理想の夫婦”だった。幸せそうな二人は、かつてレイチェルが夫のトムと暮していた家の近くに住んでいた。トムは今その家で、妻のアナと生まれたばかりの娘と新しい人生を始めている。
ある朝、レイチェルはいつもの車窓から衝撃的な場面を目撃する。それは、“理想の妻”の不倫現場だった。翌日、レイチェルは夫婦の様子が気になり、確認するべく駅を降りる。しかし、彼らの家へ向かったところから記憶がなくなり、気が付けば自分の部屋で大けがをして倒れていた。まもなく“理想の妻”は、死体で発見される。
なぜか周囲から疑惑の目を向けられるレイチェル。どうやら、あの日の“空白の時間”に原因があるらしい。レイチェルが記憶を取り戻そうとすると、関わる人々の思いがけない秘密が明かされていく──。
出典:http://girl-train-movie.jp/
映画を観る前に
公式サイトで山村紅葉さんが解説している映像がよくできたいたので、紹介。僕もこれをチェックしてから観に行けばよかった。
キャスト
- レイチェル / エミリー・ブラント
「オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)」の伝説の女兵士役や「プラダを着た悪魔(2006)」のアン・ハサウェイと仕事のライバル役で知られるエミリー・ブラント。
この作品のヒロインでアル中の女性。2年前にアル中で広告会社をクビになっているが、毎朝通勤電車に乗っている。
当時はトムと結婚していたが、離婚し、友人の家に住まわしてもらっている。離婚後の養育費で生活している。
その通勤電車で昔トムと住んでいた家の2軒隣の若い妻(メガン)のことを理想の自分だと思っている。 - メガン / ヘンリー・ベネット
レイチェルがいつも電車から覗いている家に住む若い妻。夫はスコット。
画家を目指しながら、アナとトムの赤ん坊のベビーシッターをしている。
精神科医のカマルにカウンセリングを受けている。
その幸せそうな家庭はレイチェルの理想とする姿だったが、失踪し、のちに遺体となって発見される。 - アナ / レベッカ・ファーガソン
トムの現在の妻。子供は赤ちゃん1人。
自宅にかかっている無言電話はトムの元妻であるレイチェルの嫌がらわせと疑っている。
子育てが大変で、メガンにベビーシッターとして働いてもらっている。 - トム / ジャスティン・セロー
アナの旦那。路線沿いのアーズリー13番地の家にアナとその赤ん坊と暮らしている。
スコットとメガンの家とは2軒隣。
レイチェルとは以前結婚していたが、いろいろ試したが子供ができなかった。 - スコット / ルーク・エヴァンス
メガンの旦那。路線沿いのアーズリー15番地の家に住んでいる。
トムとアナの家の家とは2軒隣。 - カマル / エドガー・ラミレス
精神科医。メガンのカウンセリングをしている。
ネタバレ
2年前、アル中で酒癖の悪さから会社をクビになってからも、変わらず毎日決まった時間にニューヨークに通い続けるレイチェル。
電車の車窓から見える風景を眺め、妄想するのが好きだった。
電車から毎回見える、2軒の家。1軒は、離婚した夫トムが不倫の末、新たに結婚したアナと住む、かつての自分の家。そして、その家の2軒隣の若い美男美女が暮らす1軒。
レイチェルは、電車が通るたびに彼らを観察し、自分がやるはずだった幸せな夫婦生活をスケッチしながら妄想していた。
若い男女の内、女性はメガン。彼女は過去に娼婦だったり、妻だったり、様々なことをしていた。
今はカマルのカウンセリングを受けながら、2軒隣のアナの家でベビーシッターとして働いていた。
アナは、精神的に不安定になった元妻のレイチェルが頻繁にトムに連絡してくることを悩んでいた。以前にうたた寝をしている時に勝手に家の中に入り込んできて、子供を玄関の先のまで連れ去られるところであり、レイチェルに恐怖を覚えていた。
ある日、レイチェルがいつものように電車からメガンの家を見ていると、2階のバルコニーでいつもと違う男性と抱き合っていところをみかける。
親しそうに顔を近寄らせているので、キスをしているようにも見える。
メガンが不倫をしていると思ったレイチェルは、トムと離婚する前、当時トムのPCから不動産屋で働いていたアナとの不倫のメール(「XXXX」とキスの意味のメール)を見つけてしまった過去を思い出す。
メガンが夫のスコットを裏切ったと思い、それが許せないレイチェルは友人と飲んで、酔っ払って鬱憤を晴らすレイチェル。
飲んで帰ったその夜、レイチェルは我慢できなくなり、メガンの最寄駅であるアーズリー駅で下りて、メガンに一言言いにいく決心をする。
メガン宅に向う途中、メガンがランニングしていることを見つけるレイチェル。
途中、トンネルのところでメガンに向かって「あばずれ!(whore!)」と叫ぶレイチェル。記憶はそこで途絶えていた。
翌朝、自宅で目を覚ましたレイチェルは、頭からは血を流し、シャツも血が付いている姿に驚く。急いでバスルームで洗い流すレイチェル。
昨日のことを思い出そうとするが、泥酔していたため、思い出せない。
レイチェルはお酒に酔って記憶をなくしたことで禁酒のセラピーへと向かう。
その道中の電車に乗った時、横に座った男性のタブレットのトップニュースで、メガンが失踪したことを知る。
その晩、家に戻ったレイチェルは、そこにいた警察2人から聴取を受けることになった。メガン失踪について、現場近くにいたことをアナに目撃されていたから。
いつもは18時に帰宅するレイチェルが、メガンが失踪した日に限って23時まで帰宅しなかったのはなぜなのか聴かれるが、上手く答えることができない。
レイチェルは、メガンの夫、スコットに会いに行く。
スコットにはメガンの友人だと嘘をつき、スコットに、メガンが失踪した日、メガンが別の男と抱き合っていたことを伝えた。スコットから写真を見せられたレイチェルは、彼がメガンのセラピスト、精神科医のカマルであることを知る。
カマルのことを調べるために早速会いに行くレイチェル。
レイチェルは、アルコール依存症から、記憶を亡くしている間にトムにやらかした様々な粗相が原因で離婚したことを相談する。
そして、人工授精でも子供を授からなかった自分に罪悪感があると伝える。レイチェルはアル中で、トムの上司のパーティで暴れたり、酔ってトムをゴルフクラブで叩こうとしたことを思い出す。
すると、メガンの死体が森の中から発見される。スコットが疑われて警察に連行されたが、証拠不十分で釈放される。
スコットは、レイチェルがカマルと共謀してスコットをはめようとしているとレイチェルを責めた。
警察から、メガンが殺された時に妊娠していた事実を知らされる。
アナは、レイチェルが殺したと疑い、この事件の担当しているライリー刑事に相談するが、証拠がないとなにもできないと言われる。
アナはトムのPCメールを確認してレイチェルに関わる証拠を収集しようとするも、トムのPCのパスワードがわからなくて開けない。
PCの入っていたカバンから見たことない携帯電話を見つける。着信を確認すると、メガンの携帯電話へとつながった。
レイチェルは、ある日電車に乗っていると、トムの元上司の奥さんを見つける。以前、パーティーで酔っ払って暴れてしまったことを謝罪をする。
するとその奥さんは、レイチェルは酔って気持ち悪くて部屋で寝ていただけなので謝罪する必要はない。あのあとトムに連れていかれて帰っていったことを聞かされる。
さらにトムがクビになったのは社内の女性に片っ端から手を出していたのが理由と聞かされる。
トムは、レイチェルの記憶が飛んでいたことをいいことに、自分の都合のいいように別の記憶を与えていた。ゴルフクラブで暴れて鏡を割ったのはレイチェルではなく、トムだったことも思い出す。
そして、レイチェルは、メガンが殺された日、トンネル付近で何が起こったか完全に思い出した。
トンネルの先でメガンがトムの車に乗り込むところを見たレイチェルは「あばずれ」と叫ぶと、それに気づいたトムが車のキーのアクセサリー?でレイチェルの頭部を殴り、レイチェルは気を失っていたのだった。
メガンはその日に失踪し、死体が見つかったことから、トムがメガンを殺したことに気づく。殺人犯はトムであることをアナに警告するためにレイチェルは、トムの家に向う。
アナ、トムと対面するレイチェル。トムは記憶を操作するために何か飲めとレイチェルにお酒を差し出す。レイチェルがトムに、メガンが殺された日のことを伝えると、トムは差し出したお酒のグラスでレイチェルを殴打する。意識を失いそうになるレイチェル。
殺人が起きた日のことにシーンが変わる。
トムは、レイチェルを殴打し、その日メガンと森で二人きりになる。そこで、メガンから妊娠の事実を聞き、堕胎を命じるトム。
メガンは拒否し、トムは行きがかり上、メガンを殺してしまったのだった。
意識が戻ったレイチェルに再び襲いかかるトム。トムのすきをついて、家の外へ出るも、トムに追いつかれてしまうレイチェル。
クビを締めて殺そうとしたトムを、レイチェルがワインオープナーでトムの首を刺して反撃する。
動けなくなり、虫の息となったトム。
そこへ、アナがやってきて、トムの首に刺さったワインオープナーをさらにねじ込み完全にとどめをさした。
警察に連行されるが、アナの証言でレイチェルは全て正しいことをいっており、正当防衛だったとの証言で釈放され、事件は解決。
レイチェルはメガンのお墓参りをしているところで終わり。
(エンドロール後)
何もなかったので、エンドロールが始まって席を立っても何も見逃すことはありません。
感想
最後まで誰がメガンを殺した犯人かわからないので、オチのところまで楽しめるものでした。内容もなかなか衝撃的で、アメリカの人はこういう男女のドロドロ系が好きなのかなという作品。
終盤のメガンが殺されるシーンは衝撃です。
メガンは森の中にトムを誘って、トムは野外プレイを求められてると、そこで行為を始めようとします。
トムが父親の疑いのある子供を身籠もったことを、メガンがそれをトムにいうと、考え込む間も無く「堕ろせ、スコットの子だったら好きにしろ」といいきります。
すると言い争いになり、メガンを押し倒すと、岩に頭をぶつけて、気を失ってしまいます。メガンを木の根っこの陰に隠そうとすると、メガンは目を覚まします。
全部言いふらしてやると、トムを脅しますが、トムは拳ぐらいの大きさの石でメガンの頭部を5,6発殴るシーンは衝撃映像です。
トムって男はひどい男って思いましたが、同時にめちゃめちゃモテる男なんだなと思いました。
職場の女性に片っ端から手を出して、クビになるし、レイチェルと関係が悪くなったら、不動産で働いていたアナと不倫。
アル中のレイチェルと別れてアナと結婚したけど、アナが子供の世話で相手されなくなったらメガンに手を出す始末。
モテ過ぎでしょ。
もちろん酔ったレイチェルに嘘の記憶を植えつけたり、暴力を振るったり、とんでもないクソ野郎ですが
お酒って怖いって思わせる映画でした。
トムはレイチェルがお酒に酔って、記憶をなくしたのをいいことに、パーティーで暴れたり、家の鏡を割ったりしたと言って、記憶をすり替えさせます。
それをまんま信じるレイチェルもどうかと思いますが、それからレイチェルは自分が悪いと自分を責めて、さらにお酒に溺れていきます。
子供ができなかったり、トムが会社をクビになったのは自分がパーティーで暴れたせいだとどんどん自分を責めます。
水筒には水じゃなくてお酒をそのまま入れたり、どんどん落ちていくレイチェル。お酒怖い。
まとめ
一言でまとめるとろくでもない男に振り回された3人の女性の話です。不倫しすぎ。
トムをワインオープナーでクビを刺して殺しますが、レイチェルは最後1人でメガンのお墓参りしてるし、アナの証言で正当防衛が認められたのかな。
男女の妬みとかのドロドロしたものが見えた作品でした。そういうのが好きな人にはオススメです。あと、お酒は怖さがわかる映画でした。
「あばずれ」のこと英語では「whore」っていうんですね、まんまでわらけた